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塀の倒壊事故で損害賠償請求を受ける前にリフォームしておきましょう

塀の倒壊事故で損害賠償請求を受ける前にリフォームしておきましょう

外部と敷地の境界に建てる塀は、時間の経過とともに劣化します。次第に傾いて倒れそうになっているのに放置していたら、倒壊して通行人に怪我をさせたり、他人の所有物を損壊したりするリスクが高まるでしょう。 塀は民法上工作物とされ、塀の所有者は工作物責任を負うのです。

工作物責任とは不法行為責任の1種で、過失により倒壊事故を起こして他人に損害を与えた場合、損害賠償請求に応じなければなりません。特に、高いブロック塀は、地震の際に倒壊する可能性が高く、行政機関から撤去して低リスクの塀に代えるよう求められています。

建てられてから30年以上経過した古いブロック塀の場合は、ブロックを支える内部の鉄筋が錆びて弱体化していることが多く、一旦撤去して基礎から建て直すことが求められるでしょう。

地震による倒壊事故が相次いだ1980年代以降、ブロック塀の高さは地盤から2.2メートル以下と定められました。ブロック塀自体の耐震性も必要になったのです。
多くの場合、ブロックを数段に留め、その上には鉄柵や木製フェンスなど倒壊しにくい構造に変更することになっています。年数が古くなくても、見た目で劣化がわかる塀もリフォームしなければなりません。

例えば、傾いている塀のほか、ひび割れやぐらつきがあるものも要注意です。塀の上に更に塀を重ねて建てているケースや、石垣の上など不安定な基盤の上に建てられた塀もリフォームが欠かせません。ブロック塀には一定の間隔で支柱となる控え壁を設置することになっており、この控え壁が少ないものも放置してはいけません。このように、リフォームが必要な塀は全国各地にたくさんあります。
リフォームを怠ると、倒壊事故が起きた際に過失があったと認定され、損害賠償責任を負うことになるのです。

もっとも、低い塀ほど安全とはいえ、犯罪者の侵入防止やプライバシー確保の目的を達せられないのでは、塀を設置した意味がないでしょう。
目隠しフェンスとして有効なグリーンフェンスを張り巡らしたり、防犯カメラを併用したりするといった工夫が求められます。